FX取引は「買い」「売り」のどちらかのポジションから始めることができるため、初心者にとっては「両建て」の意味を理解することが難しいかもしれません。知らず知らずのうちに売りと買いの両方のポジションを持ってしまっている個人投資家も多いのではないでしょうか。
両建ての基礎知識
まず、「両建て」とはどのような状況を指し、どのような状況で「両建て」が使用されるのかを見てみましょう。
▼両建ての意味
両建てとは、同じ通貨ペアの「買いポジション」と「売りポジション」を同時に保有することをいいます。例えば、米ドル/円(USD/JPY)の買いポジション(米ドル買い・円売り)と売りポジション(円買い・米ドル売り)を持つことで、一時的に損失を拡大させたり、ブリッジトレードを行うことができます。同じ通貨ペアで売りと買いの数量が同じであれば、理論的にはクローズドポジションと同じであり、数量に差があれば、その数量分のポジションを保有していることになります。
▼両建ての使い方
両建てのポジションの使い分けはいろいろあります。一つは、年末に含み益のあるポジションを保有する場合、そのポジションを決済すると、その年の収支がプラスになって税金が発生することがあります。この利益を翌年に持ち越したいけど、為替リスクは避けたいという場合、両建てという形で反対のポジションを同時に持つことで、含み益という形で翌年に利益を持ち越すことができます。もう一つは、同じ口座で長期と短期の両方の取引戦略を行うことです。長期的には米ドル/円の上昇を見込んで買いポジションを保有し、短期的には米ドルが下落すると考え、一時的に両方のポジションを同じ口座で保有することがあります。ただし、両方のポジションを持つ取引は経済合理性を欠くため、そのデメリットを理解した上で取引に取り入れるかどうかを判断することが重要です。
FXで両建てが推奨されない理由
冒頭で述べたように、トレードの「両建て」にはデメリットがあります。
そのため、積極的にお勧めすることはありません。仮に「両建て」を選択する場合でも、これから説明するデメリットを認識した上で取引を行ってください。
▼損をしやすい。
理由のひとつは、売りと買いのどちらか一方だけを取引するよりも、両方のポジションを取引するコストが高くなることです。例えば、売りと買いの両方のポジションを保有する場合、FX会社によっては売りと買いのスワップポイントが同じでないため、スワップポイントの差分のコストを日々支払う必要があります。ポジションを保有する期間が長くなればなるほど、トータルコストは大きくなることに注意が必要です。また、両建ての場合、取引時のスプレッドコスト(為替レートの買値と売値の差)が通常の2倍かかるため、取引回数が増えるほど取引の損益に影響します。
▼ロスカットのリスクがあります。
新規注文の必要証拠金は取引数量に応じて設定されるため、十分な証拠金がない場合、希望する取引数量を発注できない場合があります。
FX会社によっては、売りと買いの両方のポジションを発注する場合、それぞれのポジションに対して証拠金が必要となる場合があります。スプレッドとは、2つのポジションの間の幅のことです。外国為替市場では、値動きが大きくなるとスプレッドが広がることがあります。また、口座に十分な資金がある場合でも、流動性の低い早朝の時間帯や相場急変時にスプレッドが拡大し、評価損が増加する可能性があること、両建ての場合は相場変動の影響が大きくなる可能性があることにご注意ください。
知識として両建てを頭に入れておこう。
このページでは、両建て取引とはどのようなものかを紹介し、その活用例を挙げてきました。
FX取引に慣れていない初心者の方にとって、最初はなぜ両建てが可能なのか理解するのが難しいかもしれません。必須の手法ではないので、デメリットを理解した上で自分の取引に使うかどうかを判断する必要があります。両建てだけでなく、様々な知識を増やし、FX取引に活かしてください。