強制ロスカットを回避するために十分な資金を預けましょう

強制ロスカットって何?

強制ロスカットとは、FX会社がトレーダーを預託金以上の損失から守るために、一定額の損失が発生した場合に強制的にポジションを決済する注文を出す制度です。
(※強制ロスカット制度(下記参照)があっても損失が発生する場合があります。)

なぜ強制ロスカットがあるのですか?

FXでは、レバレッジによって預けた金額以上の取引を行うため、証拠金以上の損失が発生する可能性があります。

極端な例を挙げると、1ドル=110円のときに10万円の証拠金(レバレッジ11倍)で1万ドルを取引したとします。1ドル=100円まで上がれば含み損は10万円、証拠金は完全になくなり、1ドル=90円まで下がれば損失は20万円、証拠金ではカバーしきれなくなる。このような事態を避けるため、含み損が一定以上になった時点で強制的に決済する仕組みが強制ロスカットです。

可能であれば、損失抑制のため、レートが予想に反した場合はストップロス注文を入れてポジションを決済する必要がありますが、そのようなストップ注文を入れない場合でも、ロスカットシステムにより損失の拡大を抑制することができます。

ロスカットの例

ロスカットが発動されるポイントは業者によって異なりますが、よくあるパターンとしては、証拠金率が80%を割ったとき(=損失が証拠金の20%以上になったとき)にロスカットが発動されます。当初の証拠金10万円の20%にあたる2万円以上の損失が発生した場合、強制ロスカットが発動されます。これにより、証拠金以上の損失が発生する可能性が低減します。

ロスカットは絶対ではありません。

ただし、強制ロスカットが発動されたとしても、相場の状況によっては、預けた証拠金以上の損失が発生する可能性も否定できないので注意が必要です。

強制ロスカットは、条件を満たしたときに自動的に取引を実行するので、上記の場合、108円を下回ったらドル売り円買いをしようとすることになります。通常の状態であれば、107.99円や107.98円などのレートで売ることが可能ですが、相場の変動が激しく、108円を割り込んだ瞬間に市場に出てくるレートが95円であれば、証拠金以上の損失を被ることになります。

ロスカットの仕組みは各社で異なります。ご利用のFX会社を確認しよう!

上記の例のように、証拠金率が80%を下回る場合のロスカットの場合、ドル円で証拠金以上の損失が出ることはまずないでしょう。

2015年のスイスフランショックの際には、ユーロスイスなどのポジションで証拠金を上回る損失が発生したケースもありました。また、ロスカットの発動条件は業者によって大きく異なるため、ギリギリまでロスカットを発動しない業者では、証拠金を超える損失が発生する可能性が高くなりますので、取引しているFX業者のシステムをきちんと確認することが大切です。

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