株とFXの違い

投資をするなら、株かFXか?

FXを始めるにあたって、「FXと株のどちらが自分に合っているのか」と悩んだことがある人もいるのではないでしょうか。筆者もそうでした。結局、初期投資が少なくて済むFXから始め、現在もFXを中心に取引しています。

今はFXだけでなく、株、CFD、オプション(外為オプション)、仮想通貨など、あらゆるものを取引しているので、それぞれを客観的に見ることができると思っています。

投資対象の違い

■FXは通貨交換に投資する

FXはもちろん為替に投資するわけで、その国の通貨というより、その国の魅力に惹かれて投資するということかもしれません。国債や高利回りの金利に投資したいという方も多いのではないでしょうか。

ある意味、FXはグローバルな投資と言えるかもしれません。

■株は企業に投資する
一方、株は企業です。サラリーマンの場合、投資する株は、仕事柄日常的に関わる企業であったり、自分の好きな商品を販売している企業であったりします。

そういう意味では、株式は非常に身近な世界で投資をしていると言えるかもしれません。

為替はマクロ経済、株はミクロ経済という言葉がありますが、まさにその通りだと思います。

投資件数の違い

■FXは10カ国程度
FXは通貨に投資しますが、実際に投資できる通貨は多くても10カ国程度です。一般的には、世界の基軸通貨であり、高金利通貨として人気の高い米ドル、日本円、英ポンド、欧州ユーロ、カナダドル、オーストラリアドル、NZドル、南アフリカランドの8カ国の通貨に投資することができます。これらの通貨に加え、香港ドル、シンガポールドル、中国元、ノルウェークローナ、トルコリラ、メキシコペソを取り扱うFX会社も登場しています。

しかし、上記の通貨はマイナー通貨と呼ばれ、流動性(取引量)が少なく不安定な通貨です。銀行や証券会社のディーラーもほとんど取引しないので、個人投資家は手を出さない方が無難でしょう。

■株は約4,000種類の銘柄
一方、株式取引で投資対象となる日本株は約4,000種類もあります。そのため、銘柄を絞り込むのが難しく、株取引ツールにはスクリーニング機能を搭載しているものもあります。

株取引ツールの中には、スクリーニング機能を持つものもあります。しかし、その中には大化けする銘柄もあり、自分の得意分野を絞れば、目安として一度に20銘柄程度に投資対象を絞ることができます。

変動要因

■FXは金融政策と景気次第
FXのボラティリティは、その国や地域の金融政策や景気に大きく左右されます。したがって、ニュージーランドの中央銀行が金利を引き上げればニュージーランドドルが大きく買われ、ECB(欧州中央銀行)が金融緩和を行えばユーロが大きく売られることになります。

為替レートに影響を与える主な要因;金融政策、GDP、インフレ率(CPI)、雇用情勢、個人消費など。

■株価は企業業績で決まる
一方、株式の主な変動要因は企業業績である。そのため、決算が予想を上回ると、株価は連日ストップ高となります。そして、関連企業も株価がもつれることがあります。

また、グローバル企業は海外の株式市場や為替の変動と連動しているため、例えば、ドルに対して円安になれば、トヨタやマツダなどの株価が上昇することになります。同様に、海外から材料を輸入している企業であれば、原油や小麦の価格も大きく影響します。

株価に影響を与える主な要因;企業業績、為替、海外市場、商品価格、関連会社の業績など。

値動きの違い

■FXにおけるレバレッジと流動性
1980年代に360円だったドルは、現在100円前後です。1ドルが80円だった時期もあるので、その4分の1程度ですが、流動性はかなり流れています。基本的に1日の価格変動は1%程度で、大きなイベントがあっても3~4%程度の価格変動にとどまります。そのため、FXではレバレッジという資金を有効活用できる仕組みがあります。また、流動性があるため、買いたいときに買い、売りたいときに売れるというメリットもあります。

■株は銘柄によってハイリスク・ハイリターンです。
一方で、株価は為替に比べると異常な動きをします。アベノミクス以降、IPOが盛んになり、公募価格の2倍、3倍になることも珍しくなく、1年で10倍になる銘柄(テンバガー)もあります。もちろん、逆に1年で半値になることもあり、ストップ安になると損切りもしにくい銘柄です。つまり、ハイリスク・ハイリターンの銘柄もあるということです。しかし、良い銘柄に出会えれば、1年で投資資金が10倍になるなんて夢のような話です。

金利差の受取りの違い

■FXはスワップ(ポイント)
FXには、スワップ(ポイント)と呼ばれる金利差の受け払いの仕組みがあります。これは金利差を365日で割ったもので、毎営業日に受け取ったり支払ったりします。金利差の受け取り側になるには、金利の高い方の通貨を買って保有します。金利差の受け取りはもちろん、投資した資金と合わせて25倍もの金利差を受け取ることができるのが大きな魅力です!

■株式は配当金を支払う
一方、株式は配当金が支払われます。みずほフィナンシャルグループなどの株式は、配当利回りが4%前後と高く、個人投資家に人気があります。この配当金は年に1~2回(企業によって異なる)得られるもので、権利確定日だけ株を保有していれば受け取れるという高いメリットがある。もちろん、権利獲得直後に大きく売られることもあるのでリスクは高いが、その点も大きな魅力といえます!

資本効率(レバレッジ)の違い

■FXのレバレッジ
FXのメリットの1つにレバレッジがあります。これはFXの大きな魅力の一つで、投資資金の25倍の金額を動かすことができます。また、海外業者の中には100倍や200倍のレバレッジをかけられるところもあり、まるでギャンブルのような感覚で取引する人もいるようです。

■株は自己資金の3倍まで取引可能。
逆に言えば、株の値動きは大きいため、信用取引では自己資金の3倍まで取引することができます。ただし、信用取引には「6ヶ月以内の清算義務」があり、お金を借りている分、毎日少しずつ「利払い」が発生します。さらに、FXではほとんどない追証が発生することもあります。

しかし最近では、無期限信用取引(一般信用取引)と呼ばれる返済期間のない信用取引も存在します。

(⇒松井証券:一日信用取引|信用取引の取引手数料はいくら取引しても無料です。また、1回の注文で300万円以上取引すれば、金利も無料になります)

金融商品にふさわしいレバレッジを効かせることができる現状は、ちょうどいい感じだと思います!

取引時間の違い

■FXは平日24時間利用できる
FXの取引は平日24時間いつでも可能です。主婦やサラリーマン、学生にも人気があり、FX会社やラジオ日経の番組で「雇用統計特別企画」などのビッグイベントのカウントダウンイベントが行われるのは、このためです。

■株取引は9:00~11:30、12:30~15:00まで
一方、株式取引は表が9:00から11:30まで、裏が12:30から3:00までとなっています。しかし、意外と知られていないのですが、株式取引にはPTS(Private Trading System)と呼ばれる夜間取引セッションがあります。これは、通常の取引時間終了後、17:30~23:59(証券会社により異なる)に行われる時間外取引です。時間外取引とは、通常の取引時間が終了した後の17:30~23:59(証券会社により異なる)に行われる取引のことをいいます。また、8:20~16:00に行われる日中取引もあります。

SBI証券で取引が可能です。売買代金はそれほど高くありませんが、レバレッジETFの上位銘柄など、デイトレで2~3億の売買代金があるものは、それなりの出来高が見られます。

株とFXはどっちがいい?

まとめると、株とFXのどちらが良いかは一概に言えません。

そこで、株とFXの両方を扱うトレーダーとしての意見を述べます。

投資の初心者は、まず以下のような流れで、自分なりの投資商品を探してみてください。

1.少ない投資資金で資産運用ができるFXから始めてみましょう。
2.相場に慣れたら、株を取引してどちらが自分に合っているか確認する。
3.商品、先物など、より多くの金融商品に投資する。
4.状況に応じて、すべての金融商品に投資してポートフォリオを構築する。

参考になりましたら幸いです!

>