FXと株の違い|メリット・デメリットを比較し、自分に合った投資商品をご紹介します。

投資や資産運用を行う際、まず考えなければならないことがあります。それは、投資する商品です。大切なお金をどの金融商品に投資するかは、非常に重要です。ブログや個人の経歴だけでなく、自分自身の正しい知識に基づいて、正しい選択をすることができるはずです。ここでは、代表的な金融商品である株式とFXについて、それぞれのメリット・デメリットを詳しく解説していきます。

FXと株の比較

投資を考えるとき、真っ先に思い浮かぶのがFXと株です。両者については、商品の種類や取引方法など、多くの情報が公開されています。しかし、自分が行いたい投資にどちらが適しているかは、FXと株の特徴を比較して判断する必要があります。比較するために必要なことを学んでいきましょう。

▼投資対象
投資対象は、FXが投資対象、株式が取引対象の金融商品をそれぞれ示します。
FXは、世界各国の中央銀行が発行する通貨が対象となります。円、米ドル、ユーロ、人民元など、世界各国の通貨が投資対象となります。一般にFXでは、ドル/円など、通貨ペアと呼ばれる異なる2つの通貨の組み合わせ単位で投資を行います。投資できる通貨や通貨ペアの数は、FX会社によって異なるため、事前に確認が必要です。また、自動売買や特殊な注文方法などの機能も、FX会社によって異なります。
株式投資とは、証券取引所に上場している企業の株式を対象とした投資です。証券取引所には数万社の企業が上場しており、投資家はその中から投資に適した企業の株式を見つけて投資することができます。近年では、欧米など海外の証券取引所に上場している企業への投資を取り扱う証券会社も出てきており、選択肢は数万件に及んでいます。日本で人気のある投資信託の多くは、複数の企業をパッケージ化したものです。

▼取引可能な時間帯
取引可能時間は、各商品の取引可能な時間帯を表しています。
FXは平日24時間取引・注文が可能です。日本の祝日も取引可能で、ライフスタイルに合わせた投資が可能です。サラリーマンや主婦の方も、時間や場所にとらわれず投資することができ、投資時間に縛られない自由な投資スタイルを構築することができます。
株式投資の取引可能時間は、平日の9:00~11:30、12:30~15:00です。日本の祝祭日は取引ができません。FXに比べると時間的な制約が大きいのは事実ですが、その分集中できる時間が限られますし、専業投資家は常に値動きを追えるという利点があります。株式先物など他の金融商品を織り交ぜることで取引可能な時間を長くすることはできますが、24時間取引可能なFXに比べ、株式投資は取引時間が限定されています。

▼インカムゲイン
投資による所得には、キャピタルゲイン(資産の売却益)とインカムゲイン(資産の保有益)の2種類がある。株式に限ると思われがちですが、FXにもインカムゲインが存在します。
インカムゲインは、スワップポイント(金利差調整)と呼ばれ、口座でポジションを持っている限り、原則毎日発生します。スワップポイントは、通貨ペアを構成する2つの通貨の政策金利の差から得られます。メキシコ、トルコ、南アフリカなど金利の高い国は、政策金利が高い。一方、日本やヨーロッパなどの国は低金利政策なので、高金利通貨と日本円の組み合わせは非常に大きなスワップポイントが発生します。毎日のスワップポイントだけで生活している投資家もいるくらいです。
※金利の低い国の通貨を買い、金利の高い国の通貨を売ると、その金利差に応じたスワップポイントが支払われます。また、スワップポイントは、各国の経済や政策など様々な要因による金利情勢を反映した市場金利の変動に応じて、日々変動します。

株式投資家は、企業によって異なりますが、年に1~2回、配当金と呼ばれるインカムゲインを受け取ることができます。配当金とは、企業の事業利益の一部を、株式を保有する株主に分配するものです。高配当銘柄として株主から人気のある企業もありますが、会社の業績が赤字になると配当金が支払われない(無配)場合がほとんどです。実際、今回の新型コロナウイルスの影響で赤字を計上した企業のほとんどが無配当となっています。配当金は当然企業によって異なりますが、東証一部企業の配当利率は株価の2.6%程度です。スワップポイントと違って年に1~2回しかありませんが、まとまったお金が受け取れるのは魅力です。

▼レバレッジ
レバレッジとは、投資を行う際に取引できる手持ち資金(証拠金)の何倍かを指します。投資を行う際に軽視されがちですが、資金効率に大きく影響するため、意識しておきたいポイントです。
FXでは、最大で25倍までレバレッジをかけることができます。つまり、手持ちの資金が10万円なら、250万円の取引が可能です。もちろん、発生する利益・損失も25倍になるので、非常に資金効率の良い取引を行うことが可能です。ただし、FX会社が設定するレバレッジはあくまで最大値です。そのため、ご自身の取引スタイルに合った適切なレバレッジ(実効レバレッジ)を選択することが重要です。一般的に、初めてFXをされる方は、有効レバレッジを3倍程度に設定して取引するのが良いとされています。
株式投資は、現物株で最大1倍、信用取引で最大約3.3倍のレバレッジをかけることができます。この低レバレッジは、FXほど効率は良くないかもしれませんが、堅実な取引には最適です。

▼取引に必要な最低資金の目安
投資を始めるために必要な最低資本金は、取引する金融商品によって大きく異なります。
FXの場合、数千円から始めることができます。先に説明したレバレッジのかけ方によって必要な資金量を調整することができるため、投資戦略の選択肢は非常に広いといえます。
株式投資では、数万円から数百万円程度の資金が必要です。レバレッジが効かないことに加え、「単元株」と呼ばれる1単元が1,000株や100株で構成される仕組みのため、必要な資金量が多くなってしまいます。また、株主になるということは、会社の経営に参加するということなので、必要な資本金は非常に大きくなります。

▼価格動向の違い
FXと株式投資では、値動きに違いがあります。
FXでは原則的に値幅制限はありませんが、1日の値動きは1%程度に抑えられることが多く、大きなイベントがあっても3~4%程度の値動きにとどまります。年間の最大変動幅は30%程度でしょう。その理由は、通貨はその国の経済状況を表すものであり、あまりに大きく動くと、中央銀行や政府が介入して通貨を安定させるからです。また、多様な目的を持った参加者が多いため、値動きが合理的に保たれる傾向があります。
株式投資には価格制限があります。しかし、その特徴は、FXよりもはるかに大きく動くことです。1年間に株価が10倍になる銘柄(テンバガー)は一定数存在し、1年間に100倍になる銘柄も存在する。逆に言えば、投資した企業が倒産すれば、株価がゼロになるリスクもある。このように、株式投資はFXに比べて値幅が大きく、損失が発生するスピードもFXに比べて速いことに留意する必要があります。

▼主な変動要因
金融商品の価格が変動する場合、その価格変動要因には一定のものがあり、その要因はFXと株式で大きく異なっています。
FXの場合、主な価格変動要因は、取引する通貨を持つ国の金融政策や経済のファンダメンタルズです。各国が発表する政策金利やGDP、要人発言なども相場を大きく動かす要因になります。多くのFX会社では、これらのデータをほぼリアルタイムで配信する機能を備えているので、ぜひ活用してください。
株式投資では、投資先の企業の業績が主な価格変動要因になります。決算だけでなく、新規事業の開始や業務提携、合併などのIR発表も価格に影響を及ぼします。私たちは常に、発表後に企業価値がどう変化するかを織り込んでいます。また、グローバルに事業を展開している企業であれば、FXだけでなく海外の景気や為替の動向も株価に影響を与えるので、情報収集の量は非常に多くなります。

FXと株のメリット・デメリット

FXと株のそれぞれのメリット・デメリットを整理してみましょう。
FXも株もすべての面で優れているわけではなく、ご自身のトレードスタイルや資金に応じて適切な選択をする必要があります。正しい選択ができるよう、メリット・デメリットをまとめました。

▼FXのメリット・デメリット
メリット
(1) 手持ちの資金が少なくても、レバレッジを効かせることで大きな金額の取引ができる。
株式投資と比較して、はるかに大きなレバレッジをかけることができます。FXでは少額の資金でもレバレッジによって大きな金額の取引が可能なため、非常に資金効率の良い取引スタイルを選択することが可能です。
(2)売りと買いの両方に収益機会がある
FXでは、買いだけでなく売りからも取引を開始できるため、下落局面でも利益チャンスがある。
(3) 高金利通貨の場合、スワップポイントも獲得できる
高金利通貨を購入すれば、毎日スワップポイントとして一定の収入を得ることができる。
(4)取引コストが低い
基本的にFXは取引手数料がゼロで取引でき、買値と売値の差であるスプレッドのみが発生します。

5)平日の取引時間が長く、利便性が高い。
平日はほぼ終日取引が可能であり、会社員、主婦、専業トレーダーの皆様の取引時間に関するニーズにお応えしています。

デメリット
(1) レバレッジには副作用がある
FXは非常に高いレバレッジで資金効率の高い取引ができますが、レバレッジは利益だけでなく損失にも適用されることに注意が必要です。
(2)見通しが外れた場合、大きな損失が発生する危険性がある。
株式も同様ですが、自分自身の見通しが外れた場合、損失が発生する可能性があることにも注意が必要です。

 

▼株のメリット・デメリット
メリット
(1)株主優待
配当金とは別に、投資した会社から商品券や「株主優待」と呼ばれるプレゼントがもらえることもあります。
(2)価格変動が大きいので一攫千金も狙える
FXに比べ価格変動が大きいので、1年で10倍、100倍といった株価の変動を利用して一攫千金を狙うことができる。
(3)銘柄数が多いため、投資の選択肢が多い
何千社もある会社の中から自分に合った会社を探すのは、株式投資の醍醐味です。

デメリット
(1) 高いイニシャルコスト
FXに比べ、非常に大きな資金が必要なため、始めるまでのハードルが高い。
(2)銘柄によっては流動性リスクが高い
取引者数が少ない銘柄は流動性が低いため、売りたいときに買い手が見つからず、手放せないということがよくあります。
(3)銘柄数が多いので、投資の選択肢が多い。
これはメリットとして挙げられていますが、デメリットにもなっています。銘柄の選別は初心者にはとても難しく、ブログや個人情報に頼りがちです。

FXと株、投資初心者はどっちがいい?

FXと株式投資について徹底比較してみました。まとめると、以下のようになります。
FXがおすすめな人の特徴は、(1)少額で気軽に始めたい人、(2)日中は仕事で忙しい主婦やサラリーマンの人。
一方、株式投資が推奨される方は、①継続的に株価情報をチェックするのが苦にならない方、②市場が開いている平日の昼間に取引ができる方、長期的な視野で取引ができる方、などです。
FXの方が難易度が低く、投資を始めやすいと言えます。少額から始められる手軽さに加え、取引方法や情報の豊富さが初心者に適しているといえるでしょう。

FXと株、どちらも始める前にしっかり勉強しておきましょう。

FXと株式投資、それぞれの特徴についてご理解いただけたと思いますが、どちらを取引するにしても、始める前にそれぞれについて勉強しておくことが大切です。

 

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