OCO注文とは何か?FX取引での使い方と初心者が気をつけるべきこと

FX取引では、将来レートが上がるか下がるかを予測することが難しい場合があります。例えば、米ドル/円の価格が1ドル=100円で、90円まで下がったら買い、110円まで上がったら売りたい、と考えたとします。この場合、OCO注文を使えば、両方の注文を一度に出すことができます。ここでは、FX初心者の方でもわかるように、OCO注文の仕組みを具体例を交えて解説します。

OCOオーダーの意味

OCO注文の「OCO」は「One Cancels the Other」の略で、一度に2つの注文を出し、片方が約定するともう片方が自動的にキャンセルされることを意味します。
例えば、米ドル/円の価格が1ドル=108円で、105円まで下がったら買い、113円まで上がったら売りたい、と考えたとします。この場合、OCO注文を使えば、「105円になったら買う」「113円になったら売る」という2つの注文を一度に出すことができます。価格が113円に変化して売り注文が約定した場合、もう一方の注文は自動的にキャンセルされます。ご自身でもう一方の注文をキャンセルする必要はありません。

▼Occo Orderの利用シーン
OCO注文は、新規に注文を出すときや、すでに開いているポジションを決済するときに使うことができますが、一般的には決済注文に使われることが多いようです。決済注文に使用する場合、OCO注文は指値注文と逆指値注文を使い分けることで、利益確定と損失確定の両方に使用することが可能です。この注文方法は、相場が上がるか下がるかの予測が難しい場合に有効で、利益確定とリスクコントロールの両方を同時に行うことができます。具体的な例を以下に記載します。

OCO注文の出し方の例と注意点!

新規のOCO注文の出し方の具体例と、決済のためのOCO注文の出し方の具体例を見ていきましょう。

▼新規注文
例えば、米ドル/円のレートが現在100円であるとします。また、米ドル/円はここ数週間、95円から105円のレンジで推移しており、このレンジは今後しばらく続くと予想されるとします。
この場合、米ドル/円が下落したら95円で買い、米ドル/円が上昇したら105円で売るという2つの新規OCO注文を同時に発注すると、どちらかの注文が成立した時点でもう一方の注文が自動的にキャンセルされます。
現在のレートより高いレートで売り、低いレートで買いたい場合に有効で、相場の上昇・下落に関係なく有利なレートで注文が成立します。

次に、新規の買い逆指値注文と新規の売り逆指値注文を組み合わせて使う方法を考えてみましょう。
例えば、現在USD/JPYのレートが100円であるとします。ここ数週間、米ドル/円レートは95円から105円のレンジで推移しており、レートが95円や105円になるとレンジを抜け、各方向への流れが加速すると予想しているとします。
この場合、OCO注文で上値105円の新規買い逆指値注文と下値95円の新規売り逆指値注文の2つを同時に発注すると、どちらかの注文が成立した時点でもう一方の注文が自動的にキャンセルされます。上値抵抗線、下値抵抗線のどちらを上抜けるかわからない場合に有効なトラップ注文です。

▼決済注文
例えば、100円/米ドル/円で1万ドルの買いポジションを持ち、現在の価格も100円だとします。
買いポジションなので、価格が上昇(円安)すれば利益となり、価格が下落(円高)すれば損失となります。
したがって、OCO注文で、110円まで上昇して10万円の利益が出たらポジションを決済して利益を確定する指値注文と、95円まで下落して5万円の損失が出たら損失を確定する逆指値注文を同時に発注した場合、どちらかの注文が成立すれば、もう片方は自動的にキャンセルされる。どちらかの注文が約定した場合、もう一方の注文は自動的にキャンセルされます。損切りと利益追求を同時に行いたい場合に、非常に有効なOCO注文の活用方法です。

▼注意事項
先の例で見たように、すでにポジションを持っていて損失を限定したいときに使う決済用の逆指値注文には注意があります。それは、逆指値注文にはスリッページが発生することです。スリッページとは、注文を出した価格と実際に約定した価格との差のことです。
先の例では、95円まで下落して5万円の損失が発生した場合、損失を確定するためのストップ注文が94円で約定し、6万円の損失となる場合があります。なお、流動性の低い新興国の通貨ペアなど、スリッページが発生しやすい場合があります。

OCO注文で取引幅を広げる

OCO注文についてご理解いただけたところで、2つの注文を同時に行う場合の使い方をご説明します。OCO注文は、2つの注文を同時に発注するのに便利な方法です。特に、利益確定と損失確定の2つの注文を同時に出してポジションを決済したい投資家にとっては便利な方法です。今回ご紹介したOCO注文をはじめとする注文方法は、ご自身の取引方法に合わせてご利用ください。

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