FX取引の損切り方法と注意点|適切なタイミングはいつなのか?

「損切り」とは、保有する通貨を損失で決済することです。レバレッジを効かせたFX取引において重要な取引手法であり、必ずマスターしておく必要があります。早めに損切りをすれば、損失を減らすことができますが、そのタイミングがわからないという方も多いのではないでしょうか。ここでは、損切りが重要な理由と、損切りの方法、適切なタイミングについて解説します。

FX取引におけるロスカットの重要性

FX投資はお金を増やすことが目的なので、損失は極力避けなければなりません。目先の値動きに惑わされ、損切りから手を引くことが難しくなり、結果的にマイナス額が大きくなってしまうこともあります。これがFX取引の怖いところです。このような事態を避けるために、ここでは損切りの重要性を解説します。

▼ストップロスとは?
損切りとは、外国為替市場が自分の予測に反して動いたときに、損失を覚悟でポジションを決済することです。損失の少ない段階で早めに判断することで、損失を最小限に抑えるために行われます。FXで勝つためには、1回のトレードでどれくらいの損失を許容できるかなどをあらかじめ決めておき、そのルールを徹底することが大切です。

▼損切りをしないとどうなるのか?
決済せずに損失が発生するのを待てば、プラスに転じる可能性もありますが、その可能性に期待するのは非常にリスクの高い行動です。例えば、1ドル=100円で1ロット購入する場合、最大25倍のレバレッジ取引を行うには4万円の証拠金が必要です。仮に5万円を入金して取引したとします。相場が動いて1ドル=99.50円まで円高になった場合、5,000円の為替差損が発生し、純資産額は45,000円となります。さらに円高が進み、純資産額が40,000円を下回ると、自動的にポジションを決済するロスカットが実行されます。ロスカットが発動する水準になる前にポジションを閉じていれば、損失を少額に抑えることができたはずですが、根拠のない期待からロスカットを怠ると、かえって損失が膨らんでしまいます。また、決済後に相場の流れが反転しても、資金があれば再度買いポジションを建てることができます。損失が拡大すると資金が不足し、相場の波に乗り遅れるなどの機会損失が発生する可能性があります。

▼損切りの方法とタイミング
初心者は軽視しがちですが、トレードのタイミングよりも、いかに自分の資産を守るかの方が重要なのです。取引経験の有無にかかわらず、FX取引で勝ち続けることは難しいです。

適切な損切りの方法を身につけ、リスクを最小限に抑え、リターンを狙うことは必要な技術です。ここでは、損切りの方法とそのタイミングについて解説します。

▼ロスカットの方法について
エントリー前に利益水準と損失水準をあらかじめ決めておくことは非常に重要です。特に、「ここに到達したら必ず損切りする」というルールを決めておくことが重要です。ただし、決めたルールを守れなければ意味がありません。実際、大きな資金で取引しているときにポジションを抜くことができず、結果的に大きな損失を出してしまうというのは、よくある失敗例です。このように、ポジションを持ったままでは冷静な判断ができないことが多いので、エントリーと同時にストップオーダー(逆指値注文)を入れておくのが賢明です。そうすれば、ストップロスはあらかじめ設定したレベルで自動的にカットされます。

OCO注文もリスクコントロールの有効な手法の一つです。これは、利食い注文と損切り注文を同時に発注し、どちらかが約定すると、もう一方がキャンセルされる注文方法です。つまり、相場が上がるか下がるか予測できないときに、2種類の注文を出すことができるのです。予想通りに相場が上昇したら利益を出す」「予想に反して相場が下落したら損切りする」ということです。

▼ストップロスのタイミング
下値支持線と呼ばれるサポートラインと、上値抵抗線と呼ばれるレジスタンスラインは、決済のタイミングを計る上で非常に重要な基準となる。買いポジションの場合はサポートラインの少し下、売りポジションの場合はレジスタンスラインの少し上に損切りポイントを設定することが望ましいです。このとき注意したいのは、損切りポイントをサポートラインやレジスタンスラインのあまり近くに設定しないことです。一般的に、サポートラインを割り込んだり、レジスタンスラインを越えたりすると、相場は同じ方向に勢いよく動くと言われています。しかし、サポートラインを割り込んだ後に反発したり、同様にレジスタンスラインを上回った後に反落したりすることもある。このように、テクニカル分析の理論に従わないことを「ダマシ」と言います。損切りポイントをサポートラインやレジスタンスラインの近くに置くと、ダマシにあったときに、損切りで利益を得るチャンスを失ってしまう。そのため、損切りポイントはサポートラインやレジスタンスラインより「少し下」にする必要があります。

その他、エントリー価格の直近の高値や安値を損切りポイントの目安にしたり、許容損失額を超えたときや想定したシナリオ通りに相場が動かなかったときに損切りしたりする方法もあります。損切りのタイミングを決める方法はさまざまです。自分のトレードスタイルに合った方法を見つけ、決めたルールに沿ってトレードしてください。

ロスカット時の注意点

FX投資における損切りの重要性について、ご理解いただけたかと思います。損切りは非常に重要なトレード手法であるため、改めて損切りの際に注意すべきポイントをご紹介します。

▼損切りのルールを徹底する。
前述したように、損切りのルールを決めることは重要であり、決めたルールを徹底することが最も重要である。
ロスカットの際には、保有しているポジションをすべて決済することが重要です。損切りラインを変更したり、「決済後に相場が戻ったらもったいない」と思ってポジションを持ったままにしておくと、ポジション操作がしにくくなり、結果的に損失が大きくなることが多いのです。決めたルールに忠実に、確実に損失を最小限に抑えられる方法を選びましょう。

▼ストップロスの基準を価格帯で考えるのはやめましょう
中・上級者の中には、「●pips下がったら損切り」というように、ある一定の価格帯を基準に損切りの基準を決めている人もいます。しかし、初心者の方が価格帯を損切りの基準にすることはお勧めできません。レートは常に動いているため、損切り幅が毎回同じになることはありえないからです。また、その時のチャートによって意識するポイントが異なるため、トレンドを見極めることも重要です。自分の許容損失額に応じて損切りポイントを決め、チャートをよく見て、トレンドが変わるポイントあたりで損切りするように心がけましょう。

長い目で見て勝つために、損切りをする

損切りはFX取引において非常に重要な取引手法であることがお分かりいただけたと思いますが、どんなに経験豊富なFXトレーダーでも、取引するたびに勝つことはできません。長い目で見て勝つためには、資金管理をしっかり行い、決めたルールに従って損切りをすることが大切です。

>