FX初心者は少額から始める!?失敗しない運用方法を解説。

FXがレバレッジを効かせられる取引であることは、投資経験ゼロの人でも知っているかもしれません。「レバレッジ効果」とは少ない資金で大きな金額の取引ができる仕組みで、少額からでも気軽にチャレンジできることを意味しています。しかし、なんとなくFX取引を始めてしまって、いまいち詳細なルールやメリット・デメリットをよく理解できていないまま投資している方も少なからずいらっしゃるようです。

この記事では、レバレッジの仕組みと、初心者が安全に取引するための運用方法を解説しますので、大切なお金を動かす前に今一度FXのメリットやデメリットをご認識した上で取引を行っていただければ幸いです。

【初心者向け】FXの基礎知識がある方

すでにFXの投資経験がある方でも、FXがどのような投資なのかわからないという方も多いのではないでしょうか。ここでは、初心者の方がよくわからないと思われる基礎知識をご紹介しますので、ぜひこの機会にFX取引の基礎知識を身につけてください。

▼そもそもFXとは
FXとは「Foreign Exchange」の略で、日本語では「外国為替証拠金取引」と呼ばれています。米ドルやユーロなどの外貨を売買し、買値と売値の差額で利益を得ることを目的とした取引のことです。

▼FXトレードの特徴
為替レートが低いときに通貨を買い、高いときに売ることで利益を得ることができます。

例えば、米ドルと日本円を取引する場合、為替レートが1米ドル(日本円)=100円のときに買い、1米ドル(日本円)=110円になったときに売れば、1米ドル=10円の利益を得ることができます。仮に10,000米ドルを取引した場合、100,000円の利益を得ることができます。(取引コストやスワップは考慮せず)。

上記の為替差益に加え、スワップ収益でも利益を得ることができます。スワップとは、2つの国の通貨を交換する際に発生する金利差調整のことです。通貨ペアで高金利通貨と低金利通貨を購入し、高金利通貨のポジションを保有すると、金利差益が発生します。

為替差益やスワップ収益と並んで、少額の資金で大きな取引ができる「レバレッジ効果」もFX取引の大きな特徴です。

例えば、1米ドルあたりの価格が100円の時に1万米ドル分の外貨を銀行に預けようとすると、日本円で100万円(=100円×1万米ドル)が必要ですが、FX取引では、レバレッジを利用することで自己資金の25倍まで取引することができます。したがって、4万円の必要資金で100万円分の米ドル(4万円×25倍=100万円)を取引することが可能であり、非常に資金効率の良い金融商品と言えます。

FXのメリット
例えば、現在、1米ドル=100円で米ドル/円を取引しているとします。将来、110円まで円安(=円高)になると予想している場合、今、米ドルを買い、予想通り110円まで円安(=円高)になったときに米ドルを売れば、1米ドルあたり10円の利益が出ます。一方、90円まで円安になれば、1米ドルあたり10円の損をすることになります。

では、90円まで円高(=ドル安)になると予想した場合、投資は控えた方がいいのでしょうか?

実は、FX取引では円高(=ドル安)でも利益を狙うことができます。

現在1米ドル=100円のときに新規の買い注文ではなく、新規の売り注文を出すことで、米ドルが高いとき(100円)に売り、安いとき(90円)に買い戻すことができ、その差額も含めて10円の利益を得ることができます。このように、円安・円高にかかわらず、値動きがあれば利益を狙えるので、投資機会の多い取引といえます。

また、米ドルやユーロ、日本円など各国の通貨は世界中で取引されているため、外国為替市場は基本的に平日24時間取引可能で、ほとんどのFX会社が無料のスマホアプリを提供しているため、インターネット環境があればどこでも取引することが可能です。

さらに、ほとんどのFX会社が取引手数料を無料としており、投資家にとって魅力的な金融商品といえます。

少額からFXを始められる理由

前述したように、FX取引はレバレッジをかけることができ(個人口座ではレバレッジ25倍まで)、少額から行うことが可能です。具体的な例を挙げて、レバレッジ効果や資金効率について見ていきましょう。

例えば、レバレッジ25倍で1米ドル=100円で1万米ドル(1ロット)を購入し、1米ドル=1円の為替利益が発生した場合、「1万通貨×1円=1万円」の利益を得たことになり、4万円((1万米ドル×100)/25)の証拠金が発生します。

仮に外貨預金の入金と換金を同時に行った場合も、1万円の得になります(実際には為替手数料に相当するコストが相対的にFXより高いので、その分手取りが減ることになります)。ただし、外貨預金はレバレッジをかけることができないので、この取引を行うには100万円を用意する必要があります。

このように、レバレッジを利用すれば、少ない証拠金で効率よく利益を追求することができます。手持ちの余裕資金が少額でも、より大きな金額の取引ができるため、FXは他の外貨投資商品よりも難易度が高いのです。

しかし、「ハイレバレッジ=ハイリスク、怖い」というイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。本当にそうなのでしょうか?

初心者がFX取引で失敗しないためにはどうすればいいのか?

FX取引において、レバレッジ効果は最も重要な機能の一つと言っても過言ではありません。しかし、レバレッジ効果は使い方を間違えると諸刃の剣となり、取引を失敗させてしまうこともあります。ここでは、レバレッジの正しい使い方について解説します。

初心者は実効レバレッジ3倍が “限界速度”

レバレッジ25倍は、あくまでも預けた証拠金で建てられる最大ポジションの数字です。
TRY/JPYとRUB/JPYのみ10倍に固定されています。

先ほどの例では、4万円の証拠金でその25倍に相当する1万米ドル(1ロット)を購入し、1米ドル=1円の為替差益により1万円の利益を得たとします。もし、10万円の証拠金で1万米ドル(1ロット)を購入し、それでも1万円の利益が出たとしたら、実際のレバレッジはどうなるのか。

この場合、10万円の証拠金に対して1万通貨のポジションなので、実際のレバレッジは10倍((100円×1万通貨)/10万円)しかありません。これを実効レバレッジといいますが、むやみに大きなポジションを建てないようにすれば、これを小さくすることができます。

外国為替市場がお客様の予想に反して動いた場合、為替差損が発生し、お客様の純資産額(預かり証拠金+評価損益+未決済スワップポイント)が減少することになります。ただし、証拠金に対してあまり大きなポジションを保有していない場合(実効レバレッジが高くない場合)には、このような不足が生じるリスクは低いと考えられます。

一般的に、初心者の方は証拠金不足にならないように、実効レバレッジを3倍程度に抑えた方が良いと言われています。最初は3倍程度の控えめなレバレッジから始めて、慣れてきたら徐々に上げていくのが良いかもしれません。

利益確定やストップロスはどのように考えたらよいのでしょうか?

予測が外れて為替差損が発生すると、含み損が発生して評価損の金額が口座残高から差し引かれ、さらに状況が悪化すると必要証拠金を下回る危険性があります。実際、口座残高の評価額が必要証拠金の下限を下回ると、「ロスカット」という強制決済が行われ、それ以上の損失拡大を食い止めることができるので、安心です。

つまり、ロスカット機能は自動ブレーキのようなものですが、このような状況に追い込まれる前に、自分の意志でストップロス注文をするのが賢明です。

FXでは、ストップロスを徹底して損失をできるだけ小さくし、読みが当たって利益が出ている場合は、口座を早く閉じずにできるだけ金額を増やすことが成功の秘訣と言われています。FXで成功する秘訣は、「損小利大」のスタンスと言われています。

誰でも損失を受け入れるのは嫌なものですが、より大きな打撃を受けるのはもっと嫌なものです。しかも、一度大きな損失を被ると、それを回復するために有効レバレッジを大きくしてしまい、さらに痛い目を見るという悪循環に陥ることもあります。

直近の下限を割り込むなど、自分なりの目安を設け、ストップロス注文を出すことは、大きな下落を防ぐための棒となります。

外国為替取引の始め方

最後に、FX会社の選び方や口座開設の方法について解説します。これらもFX初心者の方には戸惑うポイントだと思いますので、ぜひ参考にしてください。

▼FX会社選びのポイント
FX取引を始めたばかりの方は、業者ごとのサービスの違いがわからず、どのFX業者を選べばいいのか途方に暮れてしまうかもしれません。そこで、まずはスワップポイントやスプレッドを比較してみてはいかがでしょうか。

スワップポイントやスプレッドは会社によって異なり、同じ通貨ペアで受け取るスワップポイントが多く、支払うスワップポイントが少ないほど、投資家にとって有利なFX会社と言えます。

一方、スプレッドは買値と売値の差であり、取引コストとなる。したがって、スプレッドが狭いほど、投資家にとって有利となります。

次に、損益に直結するスワップポイントやスプレッド以外にも、取引ツールやアプリの使い勝手もチェックすることをおすすめします。

また、はじめてのFX取引では、わからないことが多く、不安になることもあるかと思います。そんなときは、質問や相談がしやすいFX会社をおすすめします。

▼口座開設の手順
FX取引を始めるには口座開設が必要で、FX会社のホームページで所定の申込書に必要事項を入力し、本人確認書類やマイナンバーを提出する必要があります。口座開設の申し込み後、FX会社による審査が行われ、口座開設が承認されると、取引に必要な情報が送付されます。

▼FXは焦らず、リスクの少ない少額取引から始めよう
冒頭で述べたように、FX取引では4万円の証拠金で1万円の利益を出すことは可能です。ただし、これは実効レバレッジが25倍に達した場合の話であり、損失が発生した場合は一気に損切りを迫られることもあります。

少額の資金から始めて、倍々ゲームで増やしていきたいと考える人も多いようですが、そうしたギャンブル的な考え方は大きなリスクを伴います。少額から始めて経験を積み重ね、着実に結果を出していくほうが良いでしょう。

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