投資商品の中でも人気の高いFX(外国為替証拠金取引)で利益を上げたという話をブログやSNSで見聞きし、自分もやってみようと思っている人も多いのではないでしょうか。しかしその一方で、「もし失敗して損をしたらどうしよう」「FXを始めるにはどうしたらいいんだろう」といった不安もあるのではないでしょうか。
大切なお金を預けて取引を始める前に、FXのメリットやおすすめの通貨ペア、注意すべきリスクなどを理解しておきましょう。
FXのメリットとリスク
▼FXのメリット
FX取引には大きなメリットがある反面、リスクもあります。FX初心者の方でもわかるように、メリットとリスクについて詳しく解説していきましょう。まず、FX取引の4つのメリットについて説明します。
(1)価格が動けば利益を出すことができる
FXでは、円安・円高にかかわらず、通貨の価値が変動すれば利益を得ることができます。例えば、株式投資の場合、株価が上がれば利益が出ますし、株価が下がれば損失が出ます。一方、FXの場合は、外貨の価格が上がっても下がっても、利益を出すチャンスがあります。
(2)少額取引が可能であること
FXにはレバレッジという最大の特徴があり、個人口座の場合、レバレッジは最大で25倍まで上げることができます。
つまり、本来必要な資金の25分の1の資金で取引できるのです。例えば、高金利通貨として近年人気のメキシコペソ/円の場合、2,400円(1メキシコペソ=6円、6円×10,000メキシコペソ÷25=2,400円)という少額で取引できる。USD/JPYの場合、USD/JPYが1USD=100円のときに、1万USDを4万円で取引することができます。
(3) 24時間取引
また、平日は24時間取引できるのもFXの特徴です。株式は通常9:00~11:30、12:30~15:00に取引されますが、外国為替は常に世界中の海外で取引されているため、24時間FXの取引が可能です。また、ほとんどのFX会社が無料のスマホアプリを提供しているので、インターネットに接続できる環境であれば、アプリを使っていつでもどこでも取引することができます。
(4) 手数料が無料
多くのFX会社では、取引手数料が無料となっています。
ただし、FX取引にかかるコストがゼロというわけではありません。外貨の売値と買値の差はスプレッドと呼ばれ、これが実際の取引コストとなります。スプレッドが狭ければ狭いほど、投資家のコストは低くなります。各社でスプレッドが異なるので、比較してみるとよいでしょう。
▼FXのリスク
ここで、FXのリスクについて見てみましょう。トレードをする際には、チャートツールを使ったテクニカル分析も重要ですが、それ以上にFXのリスクを念頭に置いてトレードをすることが重要です。ここでは、5つのリスクを紹介します。
(1) ロスカット・リスク
FXの魅力のひとつは、レバレッジを利用することで少額の資金で大きな利益を狙えることですが、レバレッジには注意すべきポイントがあります。ただし、レバレッジを利用する際には、注意すべきポイントがあります。
それは、実際に取引する際のレバレッジ(実効レバレッジ)を高くし過ぎないことです。
例えば、米ドル/円の場合、前述の通り、1米ドル=100円で1万米ドルを取引するためには、4万円が必要です。しかし、4万円はあくまで最低限必要な金額であり、1万米ドルを4万円ちょうどで取引した場合、為替レートが想定した値動きに反する方向に動けば、強制的にロスカットされて取引を終了する(強制ロスカット)ことがあります。強制ロスカット」という言葉にはネガティブなイメージを持つ人もいるかもしれませんが、実際には、損失が膨らむ前に自動的に取引を終了させる安全装置の役割を果たします。強制ロスカットは、為替差損によりFX口座の純資産額(口座残高+契約評価損益)が減少し、純資産額が必要証拠金を下回る場合に発生します。(FX初心者の方には難しいかもしれませんが、強制ロスカットの仕組みを理解することが重要です。)強制ロスカットが発生する前に、損切りを確定する価格を設定しておくことで、いざという時の損失額を減らすための予約注文(ストップロス注文)を行うことができます。
(2) 通貨変動リスク
一国の通貨の価格は、さまざまな要因で変動することがあります。自分の予想に反して価格が動いた場合、損失が発生することになります。このように価格が変動して損失を被るリスクを「為替リスク」といいます。
(3) 金利変動リスク
FXのスワップポイントは、通貨ペアの対象国間の金利差によって決まります。取引開始時にスワップポイントがプラスであっても、その後、各国の金利差が逆転するとマイナスになり、スワップポイントを支払わなければならないことがあります。また、金利差の縮小や金利の逆転によりスワップポイントが減少すると、相場が下落することがあります。
(4)流動性リスク
各国の祝日や取引時間帯によっては、通貨の取引が不活発になり、希望する価格での取引が成立しにくくなることがあります。例えば、新興国通貨の場合、タイミングによっては取引参加者数や取引量が主要通貨に比べて極端に少なくなり、買い手も売り手もいないアンバランスな状態となり、スムーズな取引ができないことがあります。これを流動性リスクといいます。
(5)スリッページリスク
注文時に指定したレートと、実際に注文が成立したレートとの差をスリッページと呼びます。外国為替市場が急変した場合、スリッページが大きくなり、希望する価格と大きく乖離した価格で注文が成立することがあります。これをスリッページリスクといいます。スリッページのリスクを回避するためには、約定率の高いFX会社を利用することが賢明です。約定率とは、お客さまが出した注文が希望する価格で約定する確率のことです。
FXで取引可能な通貨ペア
▼基準通貨と決済通貨について
FX取引では、数ある通貨ペアの中から、自分が利益を得られる通貨ペアを売買することになります。はじめに、通貨ペアの意味について詳しく説明します。
通貨ペアとは、取引対象となる2カ国の通貨の組み合わせを意味します。米ドルと日本円の通貨ペアの場合、2つの通貨は「/」で区切られます(例:「USD/JPY」)。左側を「基準通貨」、右側を「決済通貨」と呼びます。
基準通貨」とは、「決済通貨」を取引する際の基準となる通貨として位置づけられているものです。そのため、「基軸通貨」1単位に対して「決済通貨」をいくら交換できるかを示すのが「レート」です。米ドル/円の場合、1米ドルを買うのに何円必要かという考え方です。
米ドルは、世界の金融取引の基準として広く使われていることから、「世界の基軸通貨」と呼ばれています。
▼主な通貨ペアの種類
FXではどの国の通貨が取引できるのですか?米ドルなどの主要通貨からよくわからない通貨まで、さまざまな国の通貨を取引することができます。ここでは、主な通貨ペアの特徴についてご説明します。
日本円と組み合わされる通貨ペア
日本円と私たちが日常的に使っている外国通貨を組み合わせた通貨ペアの特徴を紹介します。米ドルと日本円以外の通貨ペアを総称して「クロス円」と呼びます。クロス円」の詳細については、以下のとおりです。
米ドル/円
ドル/円は、世界で2番目に取引されている通貨ペアです。流動性が高く、価格が安定しており、スプレッドが狭いことが特徴です。ニュースでもよく取り上げられ、日本人にとって最も身近な通貨ペアです。
EUR/円
EUR(ユーロ)は、欧州連合(EU)で使用されている通貨です。ユーロは米ドルに次いで取引量が多く、スプレッドも狭いです。欧州時間といわれる午後4時前後に頻繁に動く傾向がある。
ポンド/円
ポンドは値動きが激しいため、人気の高い通貨ペアです。米ドルやユーロなどの主要通貨の中で、1ポンドあたりの円相場が大きいため、変動が激しい通貨ペアです。
AUD/円
世界有数の資源国であるオーストラリアドルは、資源国通貨を代表する通貨です。貿易取引の4分の1を占める中国の影響を強く受けています。中国関連の報道は、安全通貨とされる円に対する通貨の強弱によって、大きな値動きをすることがあります。
ニュージーランドドル/円
地理的にオーストラリアに近く、経済モデルも似ている。この2つの通貨を合わせてオセアニア通貨とも呼ばれます。また、NZD/JPYはAUD/JPYとの相関が非常に高く、似たような値動きをしています。
スイスフラン/円
永世中立国であるスイスは、欧州内の信用不安や地政学的リスクが発生した場合の安全資産としての性格を有しています。同じく安全資産とされる円との通貨ペアとして、安定したレンジ相場を形成する傾向があります。
カナダドル/円
世界有数の資源国であるカナダは、米国を隣国に持ち、その経済や原油価格の動向はカナダドルに強い影響を与えます。米ドルや円に比べ、カナダドルはトレンドが発生すると長期間にわたってトレンドが継続する傾向があります。
南アフリカランド/円
南アフリカランドは、高金利で有名です。金やダイヤモンドなどの鉱物資源が豊富で、世界有数の鉱業国でもあります。また、南アフリカランドと日本円の金利差も大きく、スワップ投資を検討されている方には最適な通貨ペアといえます。
トルコリラ/円
トルコ円は、代表的な高金利通貨として投資家の間で人気のある通貨ペアです。
高いスワップポイントが得られる反面、政治的・地政学的なリスクによって急激な価格変動が起こる可能性があります。
メキシコペソ/円
IMFが定める新興国の安全基準を満たすメキシコペソは、適度な価格変動が特徴で、500円以下で取引でき、高金利が魅力的なため、人気の通貨ペアとなっています。
中国元 人民元/円
中国は管理変動相場制を採用しているため、値動きは比較的安定しています。また、為替レートの方向性は中国当局の政策によって決定されるため、長期的な見通しを立てることが容易です。
香港ドル/円
香港ドルは米ドルにペッグされており、米ドルと連動して動きます。
米国の金融政策の影響を強く受けるため、香港ドルは香港経済よりも米国経済の影響を受けやすいと言えます。
シンガポールドル/円
シンガポールには政策金利という概念がなく、通貨のターゲットレンジが金融政策の手段として利用されています。そのため、当局から発表されるレンジ調整は毎回大きな注目を集め、この通貨の特性を生かしたトレードがポイントになります。
ポーランドズロチ/円
ズロチとユーロの相関を利用した投資戦略は、日本でも人気を集めている。また、各国の中央銀行のハト派化とは逆に、安定した金融政策運営と安定した金利見通しを示唆している点も特徴です。
ノルウェー・クローネ/円
この通貨の主な特徴は、マージンが低く、国の財政が健全であることです。結びつきの強い欧州諸国の経済の影響を強く受けます。また、隣国ポーランドのズロチとの相関も高く、ズロチ円と組み合わせて取引することで、戦略の幅が広がります。
スウェーデンクローナ/円
スウェーデンは欧州連合に加盟していますが、独自の通貨であるクローナを使用しています。政治的にも経済的にも安定しているため、多くのトレーダーが好んで利用しています。また、ドイツとの経済的な結びつきが強く、ドイツ経済の影響を受けています。
米ドルと組み合わせた通貨ペア
米ドルと日本円以外の通貨を組み合わせた通貨ペアを「クロス円」、米ドルと外国通貨を組み合わせた通貨ペアを「ドルストレート」と呼びます。ドルストレイツ」の詳細は後述します。
ユーロ/米ドル
世界最大の取引量を誇る通貨ペアであり、参加者が多いため不規則な動きをしにくいという特徴があり、テクニカル分析が有効な通貨ペアです。また、流動性が高く、スプレッドが狭いため、取引コストが低い通貨ペアでもあります。また、短時間で売買を行うスキャルピング取引にも適しています。
ポンド・スターリング/米ドル
ケーブル」の愛称で親しまれるポンド米ドルは、世界で3番目に取引されている通貨ペアです。他の欧州通貨ペアと同様に、ロンドン市場が開く午後4時前後に動く傾向があります。
豪ドル/米ドル
過去の値動きを見ても、トレンドが発生すると長期間継続する傾向があることがわかります。
そのため、スイングトレーダーから一定の支持を集める通貨ペアとなっています。
ニュージーランドドル/USドル
ニュージーランドドルは他のマイナー通貨に比べ、中長期的なレンジが狭い一方、短期的なボラティリティは高いです。そのため、こうした特性を利用した戦略が支持を集めています。
米ドル/スイスフラン
米ドルとスイスフランは、ともに安全通貨の組み合わせであるため、動きが緩慢になる傾向があります。投機目的ではなく、安定した利益を求める方向けの通貨ペアです。
決済通貨がポンド、豪ドル、スイスフランである通貨ペア
ユーロ/ポンド
両通貨は欧州通貨であり、相関性が非常に高く、長期的にはレンジで推移する傾向があります。しかし、欧州や英国に特有のイベントも多く、短期的には通貨の強弱に明確な差が出ます。
ユーロ/オーストラリアドル
欧州通貨であるユーロと資源国通貨である豪ドルのボラティリティの高さと、長期的に比較的安定したレンジを持つことから、取引戦略の幅が広いのが特徴です。レンジの上限と下限を狙いたいときにおすすめの通貨ペアです。
ポンド/オーストラリアドル
ポンド豪ドルの最大の特徴は、両通貨ともボラティリティが高いということです。ポンド円よりも値動きが激しく、短期間で高収益を狙うことが可能です。
オーストラリアドル/ニュージーランドドル
両通貨ともオセアニア通貨であり、その相関性は非常に高く、レンジで動くことが多いです。ただし、当然ながら金融政策が異なるので、政策に乖離があれば注目されます。
ユーロ/スイスフラン
ユーロ・スイスフランは、値動きが緩やかなため、大きな利益を狙うよりも、コツコツと取引したい方向けの通貨ペアです。また、スイスフランは安全通貨であるため、ユーロ安が進むと安全への逃避としてフラン高になる傾向があります。
ポンド/スイスフラン
ボラティリティの高いポンドと安全通貨であるスイスフランの組み合わせです。ポンド・スイスフランの特徴として、価格変動が激しく、スワップポイントも高いため、魅力的な通貨ペアとなっています。
クロス円・ドルストレート
FXでは、通貨ペアを総称して「クロス円」「ドルストレート」という言葉がよく使われます。その意味や関係性を理解することで、相場の先行きを予測するのに役立てることができます。
「クロス円」とは、米ドル以外の外国通貨と日本円の通貨ペアを指します。すなわち、「クロス円」とは、米国ドル以外の外貨のペアを指す。ドルと日本円のペア、例えば、ユーロ/円(EUR/JPY)、ポンド/円(GBP/JPY)、豪ドル/円(AUD/JPY)、ニュージーランドドル/円(NZD/JPY)、スイスフラン/円(CHF/JPY)、カナダドル/円(CAD/JPY)、南アフリカランド/円(ZAR/JPY)、トルコリラ/円(TRY/JPY)や日本円(JPY)。南アフリカランド/円(ZAR/JPY)、トルコリラ/円(TRY/JPY)、メキシコペソ/円(MXN/JPY)、中国人民元/円(CNH/JPY)、香港ドル/円(HKD/JPY)、シンガポールドル/円(SGD/JPY)は「クロス円」に該当します。
これに対し、米ドルと米ドル以外の外国通貨を組み合わせたものを「ドルストレート」と呼びます。ユーロ/米ドル(EUR/USD)、ポンド/米ドル(GBP/USD)、豪ドル/米ドル(AUD/USD)、ニュージーランドドル/米ドル(NZD/USD)、また米ドル/円(USD/JPY)も「ドルストレート」です。世界の基軸通貨である米ドルと直接(ストレート)交換するため、「ドルストレート」と呼ばれています。
▼初心者が通貨ペアを選ぶ際に重視すべき点は?
FX取引初心者が通貨ペアを選ぶ際には、(1)流動性が高い、(2)スプレッドが狭い、(3)情報が豊富、の3点に着目するとよいでしょう。以下、(1)~(3)のそれぞれの意味について、順を追って説明します。
(1) 高い流動性
流動性の高さは、取引が活発であることを示します。流動性が高ければ高いほど、自分の望むレートで取引してくれる相手を見つけやすく、自分の意図通りの取引が成立しやすくなります。逆に流動性が低いと、買いたい通貨を簡単に買えない、売りたい通貨を簡単に売れないという状況に陥る可能性があります。
また、流動性の高い通貨は、トレンド(値動きの方向性)が明確である傾向があります。一方、流動性の低い通貨は、値動きの方向性が明確でなく、上下に乱高下する可能性があるため、初心者には不向きです。
(2) 狭いスプレッド
初心者だけでなく、経験豊富なトレーダーも、できるだけ狭いスプレッドを選びたいと思うはずです。なぜなら、「スプレッドが広い=取引コストが高い」となり、結果的に利益が少なくなってしまうからです。
特に初心者の方は、まだ相場に慣れていないため、為替レートが予想通りに動いても慌てて利益を出そうとしがちです。これでは大きな利益を狙うことは難しいので、スプレッドはなるべく狭いほうがいいのです。各社のスプレッドの狭さをランキングした比較サイトなどを見ると、どのFX会社がお得なのかがわかります。
(3)豊富な情報量
十分な情報がない場合、手探りで取引を進めることになり、非常にリスクが高いです。情報が不十分だと、取引を始めたとたんに金融政策の見直しで為替レートが大きく変動するような事態に陥ることもあり得ます。情報の入手が容易な通貨から取引を開始しましょう。
やはり、初心者が挑戦しやすいのはUSD/JPY
では、前述の3つのポイントを踏まえた上で、初心者が選ぶべき通貨ペアはどれなのでしょうか。結論から言うと、「USD/JPY」が初心者の方におすすめです。
米ドルとユーロは世界で最も活発に取引されている通貨ですが、その為替レートであるユーロ/米ドルは、日本のテレビのニュースではほとんど報道されません。しかし、2番目の取引量を誇る「米ドル/円」の為替レートは頻繁に報道されます。
日々、大まかにでもレートの推移を把握しておけば、最近の円高・円安の判断がしやすくなるのではないでしょうか。スプレッドも全通貨ペアの中で最も低いので、USD/JPYの通貨ペアは3つのポイントをすべて満たしています。
米ドル/円の為替レートに影響を与える主な要因としては、日米の金利差、両国の政治・経済情勢、投資家のスタンスの変化などが挙げられます。例えば、日本がゼロ金利のままで米国が利上げを行った場合、金利の高い米ドルが買われ、日本円が売られる可能性が高くなります。
また、米国大統領の発言や動向も為替相場に影響を与える可能性があります。世界の投資家がリスク回避の姿勢を強めれば、比較的安全とされる日本円が買われ、投資目的でドルに換えていた資金が流出しやすくなります。
そのような状況を観察しながら、米ドル/円相場をチャートで観察していると、次第にトレンド(値動きの方向性)を把握することができます。米ドル/円が米ドル/円高・円安方向に動きそうなときに、買いポジションを建てるのが定番の戦略のひとつです。
流動性とスプレッドが◎のユーロですが、要注意!
外国為替市場における通貨別の取引量では、ユーロは米ドルに次いで2位、日本円は3位となっています。このことから、ユーロ/円の通貨ペアは初心者におすすめと言えそうです。
確かにユーロは流動性が高く、ドル円相場ほどでなくとも情報自体は比較的入手しやすいと思います。しかし、細心の注意が必要なポイントもあります。
現在、EUR/JPYの買いポジションを保有している場合、スワップポイントはマイナスです。日本の金利は世界的に見ても極めて低く、「クロス円」(円と外貨の組み合わせ)の多くは、買いポジションを持つと毎日スワップポイントを得ることができます。
ただし、ユーロ圏の政策金利は日本より低く、金利の低いユーロを買って日本円を売ると、逆にスワップポイントを支払う必要があります。この負担を考えると、ユーロ/円は短期売買にとどめた方が無難で、その意味では初心者にはハードルが高いかもしれません。
まずは先進国の通貨がおすすめです。
初心者の方は、為替差益を狙うならUSD/JPY、スワップポイント狙いの中長期投資ならAUD/JPYと、3つの視点から選んで慣れていくのがおすすめです。流動性や極端な価格変動を考えると、いきなり新興国通貨から始めるのはリスクが高いので、まずは先進国通貨の組み合わせから始めるとよいでしょう。
それでも最初から新興国通貨に挑戦したいのであれば、実効レバレッジができるだけ低くなるように、ポジションを調整する工夫が必要です。