FXで利益を出すためには、ただ闇雲に取引するのではなく、取引テクニックを取り入れて、勝つためのトレードをする必要があります。
トレードテクニックには、相場のトレンドを利用するもの、ローソク足を分析するもの、ニュースやデータを分析するものなど、多種多様なものがあります。
ここでは、代表的なトレードテクニックや分析方法、FXのスキルアップのためのコツなどを紹介しています。ここで紹介する内容は、実際の取引ですぐに活用でき、利益を上げるのに役立ちます。
外国為替取引の基本的なテクニック
基本的な取引手法を理解するためには、相場のトレンドを把握することが必要です。どのような取引手法であっても、相場のトレンドごとに適切な取引手法を用いることが重要です。自分に合ったトレード手法を見つけ、それを深めていくことがトレードの精度を高めていくことになります。
順張りと逆張り
どのような取引方法であっても、トレンド相場との付き合いは避けて通れない。相場には、価格が一定の範囲内に収まっている「レンジ相場」と、価格が一方向に伸びる「トレンド相場」があります。一般的には、トレンド相場の方が利益を出しやすいと言われています。トレンド相場は、開始する取引の種類によって名称が異なり、基本的に以下の2種類に分類されます。
相場の流れに沿った取引方法…フォワード・トレンド
相場の流れに逆らう取引方法…逆張り
順張りとは、トレンドが発生した時点と、トレンド発生後の初期から中期にかけて、トレンドの方向にエントリーする取引手法のことです。順張りでは、トレーダーはトレンドの波に乗り、利益を増やすことができるため、比較的安全にエントリーすることができます。一方で、トレンドが発生しそうになった後に反転する「ダマシ」の可能性や、反転後の大逆転に飲み込まれる可能性など、注意しなければならない点もあります。
反転とは、トレンドが発生した後、あるいはトレンドの終盤に、トレンドとは逆方向にエントリーするトレード手法です。トレンド発生後、トレンドが反転して大きく方向転換することは珍しくありません。逆張りはトレンドの終わりを見極めながら取引するため、トレンド終了後の大逆転を利用することが可能です。一方、エントリー後にトレンドが継続した場合や、レンジ相場に移行して大きな値幅が発生しない場合は、損失が発生したり、利益が限定されたりすることがあります。
どちらにもメリット・デメリットがありますが、相場のトレンドをうまく捉えることができれば、どちらも大きな利益を得ることができます。一般的に、トレンドの発生や終了を判断するために、インジケーターやオシレーターなどのテクニカル指標が用いられます。また、海外では順張りが好まれるのに対して、日本では逆張りが好まれます。
基本的な取引手法
最もシンプルな基本取引手法は、トレンドの発生に応じて順張りで取引することです。前述したように、相場の動きにはレンジ相場とトレンド相場の2種類があります。
上昇トレンドと下降トレンドは、一度発生すると一定期間同じ方向に動く傾向があるため、レンジ相場よりもトレンド相場で取引する方がシンプルで時間効率も良くなります。トレンドの発生は、オシレーターやインジケーターなどのテクニカル指標で検知することができます。もちろん、トレンドの発生を完璧に察知できる人はいないので、レンジ相場の継続やトレンドの反転などの「ダマシ」に注意する必要があります。
外国為替取引のテクニック
取引手法には、基本的に大きく4つのカテゴリーがあります。取引手法は、取引を行う時間帯、つまりエントリーからクローズ(決済)までの時間帯で分類することができます。この方法によって、使用する取引手法が大きく変わってきます。自分に合った取引方法を見つけるには、自分の生活リズムや性格、投資方針などと照らし合わせてみると、自然と自分に合った取引方法、得意な取引方法が見つかるかもしれません。それでは、見ていきましょう。
▶スキャルピング
1つ目は「スキャルピング」です。スキャルピングとは、短時間で売買を繰り返す手法のことです。数秒から数分という短時間に小さな利益を積み重ね、最終的に大きな利益を得ることを目的としており、1回の取引では数pipsから数十pips程度の損益になりますが、勝率を上げることができれば、短期間での総利益を大幅に上げることが可能です。
その反面、常に相場を見続ける必要があり、初心者が売買のタイミングを見極めるのは非常に難しいです。
▶デイトレード
2つ目は「デイトレード」です。デイトレードとは、数分~1日の中で取引を行う方法です。スキャルピングよりもやや長い時間、ポジションを保有することになります。ポジションを保有する時間は長くなりますが、1回あたりの利益は比較的大きく、ポジションを長く保有することによるリスクを排除できるため、比較的安心して取引することができます。株式市場では「日中取引」とも呼ばれます。
▶スウィングトレード
3つ目は「スウィングトレード」です。スイングトレードとは、2日~5日程度の期間で取引を行う方法です。デイトレードに比べると期間がやや長く、一度に狙える値幅や利益も大きくなります。また、スキャルピングやデイトレードに比べ、常に相場をチェックする必要がないため、兼業でトレードする方にもオススメの取引方法です。
一方で、利益幅が大きい反面、損失も大きくなり、トレーダーは取引時にストレスを感じやすいので注意が必要です。
▶ポジショントレード
4つ目は、「ポジショントレード」です。ポジショントレードとは、1週間以上の期間をかけて取引を行う方法です。期間は分類できる取引方法の中で最も長く、年単位で取引することも想定されています。当然、取引機会は少なくなりますが、1回で得られる利益は非常に大きくなります。エントリー前にある程度の分析が必要なため、初心者には少しハードルが高いですが、長期的な視点で戦略を立てることができ、短期的な動きにストレスを感じる必要がないのがメリットです。
外国為替市場分析テクニック
FXで取引を行う場合、ただ闇雲に取引を行うだけでは、利益は減り、損失は増えるばかりです。取引する前に相場を分析することが必要です。相場の分析方法は、大きく分けると単純に2つに分類されます。それぞれ細かい分析方法が無数にありますが、ここでは大きく2つのジャンルに分けて解説します。それでは見ていきましょう。
▶ファンダメンタルズ分析
FX市場の分析方法の1つ目は、「ファンダメンタルズ分析」です。ファンダメンタルズとは、経済の基礎的な状況を表します。具体的には、経済状況や金融政策、政治などを分析し、相場を予測するものです。取引する通貨の国や関連国の経済指標や要人の発言などを参考にしながら、その国の経済状況や通貨に与える影響などを分析するのです。ただし、ニュースやデータが通貨にどのような影響を与えるかを分析するのは、初心者には難しいかもしれません。まずは新聞やネットニュース、Twitterなどでチャートを見比べながら、どのような話題がどのようにマーケットに影響を与えるかを確認することから始めるとよいでしょう。
▶テクニカル分析
FXの相場分析方法の2つ目は「テクニカル分析」です。テクニカル分析とは、過去の値動きを示すチャート分析の方法です。チャートには過去の値動きと現在の値動きが表示され、その中から法則性を見出してトレードを行います。一般的にチャートにはローソク足が描かれており、ローソク足は実線の部分とヒゲの部分から構成されています。ローソク足には、選択した時間単位の始値、高値、安値、終値の情報が記載されており、始値と終値のどちらが高かったかを陽線と陰線で表示する。また、1本のローソク足が描く時間軸によって、分足、日足、週足、月足、年足などがあります。ローソク足の読み方を知らないと、テクニカル分析だけでなくファンダメンタルズ分析でも現状を認識できないので、ローソク足の読み方をマスターすることが重要です。
余談ですが、ローソク足の動きだけを見て売買を判断する取引方法を「プライスアクション」と呼びます。
テクニカル分析には、上記のローソク足を見て行うものと、テクニカル指標を使って行うものがあります。テクニカル指標を使用する場合、ローソク足だけを見るよりも、より広く深い分析が可能になります。
一般的にテクニカル分析とは、このテクニカル指標を使った分析を指すことが多いようです。テクニカル指標には、トレンド系指標とオシレーター系指標の2種類があります。トレンド系指標は、トレンドの有無や発生タイミングを確認することができます。例えば、移動平均線やボリンジャーバンドは代表的なトレンド指標です。一方、オシレーター系指標は、トレンドの初期、中期、末期を判断することができます。代表的なオシレーターとしては、RSIやMACDが挙げられます。初心者の方には、トレンド型の移動平均線がおすすめです。相場の流れがわかりやすく、エントリーポイントも明確だからです。
ローソク足を使ったトレード方法
ローソク足を使った取引方法はいろいろありますが、いくつかあるパターンのうち、現在のチャートパターンがどれに当てはまるかを考えて取引する方法です。トレード手法の中でも最もシンプルで簡単なので、ぜひ習得してください。
基本的にはローソク足の基本形をもとに相場を予測・分析します。大陽線、陰線、十字線などの基本形を覚えてしまえば、基本形を応用して多くのパターンを扱えるようになります。また、1本のローソク足だけでなく、複数のローソク足を組み合わせることで、精度の高い分析ができるようになります。具体的には、ハラミ足、包み足、窓足、三尊足などがあり、為替相場の上昇・下降を予測するために利用されます。
また、長い時間軸のローソク足には、低い時間軸のローソク足が含まれていることに注意する必要があります。例えば、1時間足のローソク足には、15分足のローソク足が4本含まれています。したがって、1時間足のローソク足1本で分析するよりも、15分足のローソク足4本で分析する方が精度が高くなる場合があります。ただし、必ずしも低い時間軸の方が良いというわけではなく、自分の取引手法の時間軸に合った時間軸で分析することをお勧めします。
FXトレード上達のコツ
最後に、FXトレードを上達させるためのコツを見ていきます。ここで紹介するコツと合わせて、取引手法やトレード方法を学び、実践していけば、安定した利益を得られるトレードができるようになります。大切なのは、読んだだけで満足するのではなく、実践してみることです。実践すれば、必ずやあなたのトレードライフの糧となるはずです。それでは、見ていきましょう。
FXトレードを上達させるためのヒントをご紹介します。
(1) 勝っているトレーダーの真似をする。
SNSを見渡すと、勝っている(と思われる)トレーダーがたくさんいます。また、彼らのエントリータイミングを投稿しているのを見かけます。なぜエントリーしたのか、どんなトレード手法で判断したのか、利益確定ラインはどこか、損切りラインはどこか、などを考えることができれば、自分のトレードにインプットしてアウトプットすることができるようになるはずです。テクニックを盗むには分析が欠かせません。
繰り返しになりますが、勝っているトレーダーのトレードを闇雲に真似しても意味がありません。
(2) 自分なりの売買ルールを作る
トレードのルールを作ることは非常に重要です。なぜなら、トレードで損失を出す原因の多くは感情によるものだからです。自分なりのルールを作り、それを厳守することで、感情的な要素を排除し、損失が発生した場合でも問題点を把握することができるのです。
では、具体的にどのような自分なりのルールを作ればよいのでしょうか。取引方法、取引する通貨ペア、時間軸、値幅など、様々なものが考えられます。以下の例を参考に、自分なりにアレンジしてみてください。
・ロンドン市場の時間帯に取引を限定する。
・ロンドンフィキシング(25:00)と仲値発表(9:55)を利用して取引してください。
・USD/JPY、EUR/USD以外の通貨ペアは取引しない。
・エントリー時には必ず利確・損切りのラインを設定すること。
・指標発表の時間帯はポジションを取らないようにしてください。
・日をまたいでのポジション取りは避ける。
・トレンドに従う(逆張りのポジションを取らない)。
一番大切なことは、自分で作ったルールに必ず従うことです。
どうしても守れない場合は、ルールを緩めるなど、適宜調整してください。
(3) 自分のトレードを振り返って記録する。
自分のトレードの記録を作成することは、将来への糧になります。記録を作る過程で、自分のトレードを振り返ることができます。トレードの良い点、悪い点を整理することで、次のステップに進むことができるようになります。また、振り返りの際には、(2) の自分のルールが守れていたかどうかを確認し、記録しておくとよいでしょう。これは、自分のルールを調整するときに有効です。
(4)過去のチャートを繰り返し分析する
過去のチャートを使って、自分のトレード手法やマイルールが適切かどうかを検証します。バックテスト」とも呼ばれ、専用のソフトも販売されています。しかし、自分の取引口座のチャートを使うだけでも検証を行うことができます。時間のある週末に行うトレーダーも多いですが、空いた時間に過去のチャートを見て行うことも可能です。
(5) トレーディングの練習をする
トレードは他のスポーツと同じで、練習すればするほど上達が早くなります。多くのFX会社ではデモ口座が用意されており、無料で利用することができます。自分のトレード方法と(1)~(4)で作ったマイルールが、今の相場でも有効かどうか検証することができます。よくリアルマネーを使った方が上達が早いと言われますが、要は本気度なので、練習にはデモ口座で十分です。トレードの練習をする際には、注文方法の設定確認など、リアル口座では試せない部分にも目を向けるようにしましょう。
FXトレード手法のまとめ
これまで、取引手法、売買手法、相場分析手法などを紹介してきました。それらを改めて整理してみましょう。
(1) 取引方法
・順張り…フォワードトレンド相場のトレンドに追随してエントリーする方法。
・逆張り…トレンドに逆らう形で相場に参入する方法
(2)トレーディング手法
スキャルピング…短期間に売買を繰り返す方法
デイトレード…数分~1日以内に売買を行う方法
スイングトレード…2日~5日程度の期間で売買を行う方法
ポジショントレード…1週間以上の取引を行う方法
(3) 市場分析手法
ファンダメンタルズ分析。政治や経済に影響を与える経済指標や要人の発言などから、市場価格を分析する。
テクニカル分析…過去の値動きを示すチャートを用いて分析する方法。ローソク足による分析とテクニカル指標を用いた分析の2種類があります。
(4)トレード技術向上のためのヒント
・勝っているトレーダーの真似をする。
・自分なりの売買ルールを作る。
・自分のトレードを振り返り、記録する。
・過去のチャートを繰り返し分析する
・トレードの練習をする
最初から全てを学び、実践することは難しいですが、一つずつ学んでいくことで、闇雲にトレードするよりも、利益を上げられる可能性が高くなり、トレードで勝つことも多くなります。日々の積み重ねが、あなたのトレードライフを豊かにしてくれるはずです。